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緑内障

Glaucoma

緑内障Glaucoma

緑内障は視神経の疾患〜視神経と物が見える仕組みについて

目に入った光の情報は脳に伝えられて初めて“物が見える”と感じることができます。目と脳 (視中枢)をつないでいるのが網膜神経節細胞(retinal ganglion cell, RGC)で、網膜神経節細胞は長い尻尾のような軸索を脳まで伸ばしており、それが約120万本集まって束になったものが視神経です。視神経は“見える“と感じることができるように目と脳をつなげるとても大切な組織です。

眼圧と緑内障〜眼圧が高いとなぜ緑内障になるのか?

房水の流れ

ボールが球形を保っているのは内圧(空気)で外圧(大気圧)とバランスをとっているからです。内圧が低いと空気の足りないボールのようにつぶれてしまい球形を保てなくなります。眼球も房水という目の中を流れる水の量で内圧をコントロールして球形を保っています。その内圧を眼圧といい、目の固さを表す数値になります。眼圧が高いと目が固くなり、低いと眼は柔らかくなります。
茶目(虹彩)と角膜で囲まれた隅の三角形部分を隅角と言います。房水は隅角にあるメッシュ状の流出口(線維柱帯)から眼の外に排出されます。隅角の幅が狭くなり房水の流出口(線維柱帯)が茶目(虹彩)で塞がれたり、流出口(線維柱帯)が目詰まりするとうまく房水を排出することができなくなり、房水が目の中にたまりすぎてしまい眼圧が上昇して、眼球は空気をたくさん入れたボールのように固くなって、目の内側(眼底)にある柔らかい視神経が圧迫されてしまいます。
圧迫された視神経は障害を受け、視神経の網膜神経節細胞細胞は少しずつ機能しなくなり、網膜でとらえた光の情報を脳(視中枢)に伝えられなくなります。障害が進むと脳に情報を伝えられない‘見えない’部分が徐々に広がり“視野が欠ける“という症状が現れます。
眼圧が高いために視神経が障害されて視野が徐々に狭くなり、最終的は視力も落ちてしまう病気が緑内障です。残念ながら障害された網膜神経節細胞を元に回復することはできません。

緑内障と高眼圧症〜眼圧が高いとすべて緑内障なのか?

眼圧が正常値より高い状態(22mmHg以上)でも視神経や視野検査に異常のない方もいます。このような状態を高眼圧症といいます。視神経に異常が出なければまだ緑内障ではありません。高眼圧症でも緑内障になる恐れがある場合は点眼で眼圧を下げる治療をします。

緑内障とは

緑内障は視神経が傷んで視野が欠けていく病気です。日本では40歳以上の20人に1人が緑内障であると言われています。緑内障はゆっくりと進行し、私たちは左右の目でお互いが多くの部分をカバーしながら物を見ているため、視野が欠けていることになかなか気付けません。自覚症状はかなり進行しないと出てこないため、外来や検診で偶然に見つかることが多い病気です。緑内障患者さんの約90%は自覚症状がないために緑内障の診断を受けていないのが実状です。

緑内障で失われた視野を取り戻すことは残念ながらできません。早期発見・早期治療がとても重要です。視野の欠損は自覚しにくく、末期になると視力も落ちるようになります。知らない間に病気はかなり進行してしまっていることが失明原因のトップになる理由です。
緑内障で大切なのは早期発見、早期治療です。年齢とともに緑内障になる確率も上がってきます。60歳以上では10人に1人が緑内障であると言われています。

40歳を過ぎたら自覚症状がなくても年に1回は定期検診を受けましょう。それがすべての人を失明のリスクから守る最良の方法です。

当院では初診の方はすべて眼底のチェック行っており、異常が疑われた場合には精密検査を受けていただく体制になっております。

緑内障の種類について

緑内障は眼圧が上がる原因によって原発性緑内障、続発性緑内障、発達緑内障に分けられます。原発性緑内障が最も多い緑内障です。

1)原発性緑内障

隅角の広い開放隅角緑内障と隅角の狭い閉塞隅角緑内障の2種類に分けられます。

a.開放隅角緑内障

緑内障全体の約80%を占める最も多い緑内障です。房水の排出口(繊維柱帯)が徐々に目詰まりして眼圧が上昇する緑内障です。ゆっくりと進行していき徐々に視野が欠損していく慢性の病気です。一般に言われている緑内障はこのタイプです。視神経の網膜神経節細胞が少しずつ傷んでいき、目に入った光の情報が徐々に脳(視中枢)に伝わり難くなります。網膜神経節細胞のダメージが進むと視野が欠けるという症状が現れます。原発開放隅角緑内障の中でも眼圧が正常である正常眼圧緑内障は日本人にとても多く緑内障全体の70%も占めています。眼圧が正常でも安心はできません。

b.原発閉塞隅角緑内障

隅角が狭く、閉塞隅角緑内障の予備軍を閉塞隅角症といいます。その原因で多いのは中高年女性の遠視です。遠視ではレンズ(水晶体)が膨らんで前方に移動するために虹彩が持ち上げられて隅角が狭くなります。白内障でも加齢により水晶体は厚く大きくなり、それが原因で水晶体が前方に膨らんで虹彩を押し上げて隅角が狭くなります。閉塞隅角症ではまだ症状がほとんど出ないため、診察をして初めて診断ができます。閉塞隅角症の段階でレーザー治療や手術治療を行うと閉塞隅角緑内障にならないようにすることができます。遠視や白内障の方は定期的に診察を受けて隅角に異常が出てきていないかのチェックと適切な眼鏡をかけて隅角を狭めないことが大切です。
閉塞隅角症の方で虹彩と水晶体の隙間である瞳孔の縁の辺りで房水の流出抵抗が高くなると、房水がたまり虹彩が根元のあたりで前側に膨らんで彎曲し、房水の排出口(繊維柱帯)をふさいでしまい急激に著しい眼圧上昇が起こることがあります。これを急性緑内障発作といいます。発作が起こると充血やかすみの他に眼痛、頭痛、吐き気などの激しい症状が出ます。このような場合はすみやかに眼科を受診して眼圧を下げる処置が必要です。また閉塞隅角症の方は他の科での投薬や注射などで急性緑内障発作を起こす可能性がありますので医師に相談して下さい。

2)続発緑内障

目の炎症など他の目の病気やステロイド剤の使用が原因で眼圧が上り起こる緑内障です。ステロイド剤を使用している場合は定期的に眼圧のチェックを受けましょう。

3)発達緑内障

生まれつき隅角の形成が未発達なために眼圧が上がり起こる緑内障です。

緑内障の検査について

緑内障の診断で最も重要なことは眼底検査で緑内障に特徴的な異常をみつけることです。次にその異常と一致する視野欠損がないか視野検査でチェックします。視野の欠損する病気は緑内障だけではありません。鼻や脳の疾患が原因のこともあり、正確な診断がとても大切です。光干渉断層計(OCT)という検査機器を用いると視野に異常が出る前の早期の神経異常も発見でき、前視野緑内障という新しい概念もできました。房水の排出口(繊維柱帯)をみる隅角鏡検査も行います。緑内障の診断がついたら治療を開始します。治療開始後は定期的に眼圧と共に視野検査で病気の進行をみていきます。

緑内障の治療〜手術をすれば治る病気なのか

緑内障の治療は緑内障の種類によっても変わってきます。効果のある治療は眼圧を下げることです。自覚症状のない早期に緑内障を発見し、適切な治療を開始すれば病気は進行しにくくなります。その状態を維持していけばほとんどの人は生涯、失明することはなく視野と視力を維持することができます。
緑内障は長く治療をしていく必要があるため、経済的負担も含めて継続可能な治療を選ぶことが大切です。治療は点眼治療、レーザー治療、手術治療があります。通常は点眼治療です。点眼治療で効果が弱い場合には他の治療を加えます。
緑内障はどの治療をしても元に戻すことはできません。あくまでも進行を抑えるための治療です。ですから、侵襲の大きめな手術は最後の選択になります。残念ながら緑内障の原因は未だに完全に解明されていないのが現状です。強度近視、片頭痛、高血圧は緑内障の危険因子といわれています。これらの持病を持っている方は注意が必要です。

日常生活の注意と点眼のコツについて

日常生活や食事などの制限などはほとんどなく、タバコは控えてバランスのよい食生活と適度な運動を心掛けましょう。飲酒は適量なら問題ありません。点眼薬には全身の副作用が出るものもありますので喘息や不整脈などの呼吸器や循環器に持病のある方は申し出て下さい。また妊娠中は点眼治療を中止した方がよい場合がありますので妊娠の可能性のある方も申し出て下さい。

点眼のポイントは以下の通りです。
  • 毎日同じ時刻に点眼
  • 点眼量は1滴まで
  • 2剤以上使用している方は点眼の間隔を5分~10分あける

緑内障は長い付き合いになる病気です。最近、点眼薬も種類が増えて手術方法も進歩を遂げて治療しやすくなっています。医学は進歩します。緑内障も治る病気になる可能性があります。定期検査と点眼治療を続けるが大切です。一緒に頑張っていきましょう。

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