045-543-7771
MENU

白内障

Cataract

白内障Cataract

 

白内障とは

目の中の水晶体(カメラのレンズにあたる部分)が濁ってしまう病気です。目の外傷や病気、アトピーや糖尿病などの全身の病気が原因で起こることもありますが最も多いのは加齢による白内障で80歳ではすべての人にみられます。白内障の進行は個人によって違いがあり治療を必要としない方もいます。
初期のうちは自覚症状もなく経過をみていけばよいのですが、進行してくるとかすむ、まぶしい、眼鏡をかけても二重に見えたり視力が出ないなどの症状が出てきます。近視が進んだり、老眼が良くなって気が付く場合もあります。

白内障の治療について

白内障のイラスト

白内障は残念ながら薬で治すことはできません。白内障になったからといってすぐに手術をしなければならないわけではありません。原則として症状が出て日常生活に不自由を感じたら手術を行います。

手術後は通院が必要になるので、時間的に余裕がある時期などを考慮して医師と相談しながら決めていきます。白内障は適切な時期に治療を行えば視力を回復できる病気です。白内障が進行してから手術を行うと手術後の回復が遅れたり、手術による合併症のリスクも上がります。手術を必要以上に延ばさないことが大切です。また白内障が原因で緑内障(閉塞隅角緑内障)などの他の眼疾患を引き起こすことがあり、この場合は早めに手術をする必要があります。

白内障の手術について

目の手術と聞くと恐いと感じる方が多いと思いますが、手術時間は通常10分程度で、麻酔は点眼のみで痛みはほとんどありません。当院ではさらに前房麻酔を追加して手術を行っています。手術中に声は聞こえますが、明るさがわかる程度で手術自体はまったく見えませんので安心して下さい。

白内障の手術の中には難易度の高い難しい手術もあります。通常の白内障手術は時間もかからず終わりますが、難易度の高い手術は熟練を要し時間もかかります。手術で大切なことは難しい手術でも安全に行うことができるか、もし合併症が起こってもきちんと対処できるかにかかっています。
当院では難易度の高い手術にも対応可能な白内障と硝子体手術の両方の手術経験が豊富な医師が執刀し、最新の設備の下で一人一人に合った安全で質の高い手術を行っています。入院での手術をご希望の方は紹介状を用意しますので相談下さい。

(図1)

黒目と白目のさかいを3mmくらい切開したあとに器具を挿入して、レンズの前の皮(前嚢)を直径約5mmの円形に切ります。

(図2)

超音波を出しながら、レンズの中身を細かく砕きながら吸引除去します。

(図3)

空になったレンズの皮の中に折りたたみ式の人工レンズを器具の穴を通して入れて終了です。

眼内レンズについて

眼内レンズ

現在最もよく使われているのは、柔らかいアクリル系の素材からできた眼内レンズです。眼内レンズの直径は6mmありますがですが、柔らかい素材なので折り畳んで目の中に挿入することができます。そのため切開創も2~3mm程度で手術を行うことができます。当院ではインジェクターという注射器のなかにあらかじめレンズが畳まれてセットされたPreset型の眼内レンズを使用しています。器具や目に触れず直接目の中にレンズ入れることができるため感染の危険も減り、手術時間の短縮にもなり患者さんにとって優しい手術になります。

眼内レンズには単焦点レンズ多焦点レンズがあります。また乱視矯正用のレンズがあります。多焦点と聞くとすべて見えるように感じると思いますが、2焦点と言った方が正確かもしれません。遠くから近くまで眼鏡なしで見ることは難しいからです。遠くから近くまでなるべく見えるようにした3焦点レンズもあります。多焦点レンズと3焦点レンズは保険適応外で自費になります。それぞれのレンズには一長一短があるためどのレンズが自分のライフスタイルに合わせやすいかは医師と相談して下さい。当院では手術を受ける方の生活スタイルに合ったレンズの種類とレンズ度数のバランスを考慮して、ご満足いただけるよう眼内レンズの提供をしています。

眼内のイラスト

単焦点眼内レンズは目に入った光を振り分けることなくすべて使うことが出来るため、多焦点レンズよりにじみが少なく画質は鮮明で夜間もきれいに見ることができますが、手術後は眼鏡が必要になります。メガネをかけることに不都合を感じない方や夜の車の運転をする方や細かい作業をする方にむいています。また、網膜の病気や緑内障など他の目の病気のある方は単焦点眼内レンズで手術をします。
単焦点眼内レンズといっても1点だけにしかピントが合わないというわけではなく、ピントはある程度幅を持っています。また左右の目の眼内レンズの度数を決める際にバランスを調整することで見える範囲を良くすることもできます。当院では手術を受ける方の生活スタイルに合ったレンズの種類とレンズ度数のバランスを計算して満足いただけるよう眼内レンズの提供をしています。

多焦点眼内レンズは2つの距離(遠くと近くor遠くと中間)にピントが合うように光の焦点を振り分けたレンズです。単焦点眼内レンズが一箇所に焦点を合わせているのに対して、多焦点眼内レンズは2箇所に光の焦点を振り分けているので見える範囲が広がりとても便利なのですが、見え方の質はやや落ちます。多焦点眼内レンズは見え方の質にこだわるのではなく、メガネなしで見える範囲を広げ、日常生活でなるべくメガネを使いたくない人に向いている眼内レンズです。

レンズの違いによる見え方の質について

多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズと比べて黒い文字が少し薄く見える、あるいは膜がかかったように見えることがあり、鮮明度が少し落ちます。これをコントラスト感度の低下といいます。特に暗い場所でライトを見ると光のまわりに輪がかかったように見えたり(ハロー)、光が花火のようにまぶしく見える(グレア)こともあります。夜間の車の運転には注意が必要です。手術後、時間が経過するに伴い気にならなくなる方の方が多いのですが、どうしても気になる方もいます。気になるかどうかは、個人差があるため、残念ながら手術前に予測することができません。非常に細かいものを見るような職業の方にも向いていません。網膜の病気や緑内障など他の目の病気のある方は単焦点眼内レンズで手術をします。また、多焦点眼内レンズの見え方に慣れるまでに手術後数週間〜数ヶ月の時間がかかるといわれています。

多焦点眼内レンズは高価なレンズですが、値段が高いから見え方が単焦点眼内レンズより優れているというわけではありません。多焦点眼内レンズは遠くから近くまで単焦点レンズの画質で鮮明に見えるレンズではないのです。多焦点眼内レンズは誰にでも合うわけではありません。それぞれの違いをよく理解した上で目の状態やライフスタイルを考慮して主治医とよく相談して下さい。

pagetop