子供の近視治療
Treatment of childhood myopia
Treatment of childhood myopia

日本では近視は失明原因の第5位に位置しており、複数の遺伝因子のもとに環境因子が合わさって発症すると考えられています。
近視が進行し強度近視になると網膜剥離、緑内障、近視性黄斑部新生血管症、硝子体黄斑牽引症候群、近視性視神経症、高度近視性内斜視などのさまざまな視機能障害を生じることがあります。
日本では40歳以上の約5%が強度近視です。強度近視では網膜剝離は22倍、緑内障は14倍、近視性黄斑変性症は40倍もかかりやすくなります。
また、近視が強くなるほど眼鏡のレンズの厚みが増して整容上の問題も生じ、眼鏡では十分な視力を出すことも難しくなります。
近視は年齢が若いほど進行スピードが早く、18歳くらいで80%弱が落ち着きますが、23歳頃まで進行します。
近視は強度近視や病的近視になってからでは治療方法がなくなるケースがあります。
成長期には外部の環境に合わせて目の奥行(眼軸長)をコントロールする力があり、長時間近くのものを見ることで眼軸長が伸びて近視が進行してしまいます。必要以上の強い度数の眼鏡の装用も近視を進行させてしまう場合があります。
初期の近視は視力検査ではわからない場合があります。視力低下がなくても近視の可能性があり注意が必要です。
近年は夜間遅くまでパソコン、スマートフォンやタブレット端末などのディスプレイを見ることが多くなり、学童でも手にする機会が増えています。これらが近視進行や内斜視の原因になると考えられています。
また、夜間に使用するとブルーライト暴露により体内時計にも影響がでます。体内時計のバランスの崩れが近視の進行にも影響するとも言われています。
台湾では2010年から国を挙げて屋外活動を毎日120分とる『天天戸外120』で近視抑制に成功しています。中国では小学生の授業に顎台を使用して近方視を防止しています。
近視進行抑制のため重要なのは以下の3点です。
治療を開始する前には近視の程度を正確に把握するために目薬を使用して検査をします。
検査後は1~2日間まぶしく感じたり、近くを見た時にぼやけて見える方もいますので、テストなどの大事な行事ある時は避けてください。
検査は1時間30分くらいかかります。
受付終了1時間30分前までに受付を済ませてください。
近視の初期では、近くを見る時間が急に増えたことで、調節性近視になることがあります。一時的にピント合わせの機能が上手く働かなくなり、見かけ上の近視になってしまうものです。
調節性近視は仮性近視とも呼ばれ、治療で良くなることがあります。
それ以外の眼軸長の伸びが原因の近視(軸性近視)は治療によって治すことはできません。近視進行を抑制して強度近視にならないようにすることが治療の目的です。小学校入学前に近視を発症、両親ともに近視歴がある、眼軸長が年齢の割に長いお子さんは強度近視になるリスクが高いため、早期の検査・治療が大切です。
近視治療には以下のものがあります。
当院では1~3の治療を行っています。4に関しては近日中に開始する予定です。どの治療がよいのかは個人によって異なります。それぞれを組み合わせて行うこともあります。
アトロピン点眼液は非常にデリケートな薬剤で保存や使用期限については厳格に守る必要があります。
レッドライト治療については短期の成績は良好ですが。長期の効果と全性についての不確実性、個人の光に対する感受性の違いの問題があるためにまだ導入には至っていません。
くちなしの実に含まれる抗酸化作用の強い色素成分であるクロセチンに近視抑制効果があることがわかってきました。サプリメントとして販売されています。
視力だけでは近視の状態はわかりません。治療効果は近視度数と眼軸長を用いて判定します。当院では2025年4月に最新鋭の眼軸測定器OA-2000と眼軸長トレンド解析ソフトaxial managerをいち早く導入し、将来の近視進行予測と治療効果に利用しています。
検査終了後に、最新の知見や検査結果に基づいて個別に説明します。お子さんの目について少しでも心配な点がありましたら、お気軽に相談ください。