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マイオピン点眼治療

Myopine treatment

マイオピン点眼治療Myopine treatment

マイオピン点眼薬(0.01%アトロピン配合点眼液)とは

マイオピン点眼薬

マイオピン点眼薬(Myopine)は子供の近視進行に抑制効果のある点眼薬で、小児期の近視の進行を軽減させることを目的にシンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究に基づいて開発された点眼薬です。

アトロピン点眼液(1%配合点眼液)には強い近視進行抑制があることは以前から知られていました。しかし副作用も強く、ピント合わせが上手くいかなくなり、瞳孔が開き続けて読み書きなどの近くを見る作業が困難になったり、まぶしさが出たり、アレルギー性結膜炎や皮膚炎を起こすことがあります。さらにリバウンドと言って点眼を中止すると近視の進行が速くなるために近視進行抑制薬としては実用化に至りませんでした。

アトロピン点眼液(1%配合点眼液)をいろいろな濃度に薄めて近視進行抑制効果、副作用、リバウンドについての比較研究が行われました。その結果、0.01%のアトロピンが副作用もほとんどなく近視の進行抑制効果とリバウンドを加味して5年間で最も近視進行抑制があることがわかりました。

日本でも7大学が集まり0.01%アトロピン点眼液の効果と副作用について6歳~12歳の小児に点眼した報告がまとめられ、その効果が認められました。これを機に当院でもアトロピン点眼治療を開始することにしました。

近視は年齢が低い程、進行のスピードが速いため、マイオピン点眼薬は必要があればなるべく早めに開始して、少なくとも2年は継続使用することが薦められます。

マイオピンの副作用について

配合されている成分のアトロピンには瞳を開く作用がありますが、マイオピンは濃度を下げているため影響はほとんどありません。朝方に薬の効果が残った場合などに眩しく感じることがあります。その場合は点眼を少し早めの時刻にずらすことで改善できます。
眼の調節機能(ピント合わせ)には殆ど影響がなく、本を読んだり、字を書いたりするような手元を見る作業に影響はありません。

マイオピンはGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で徹底した管理の下で製造されています。シンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究によりますと、アトロピン0.01%の効果は点眼を2年間継続した後による安全性の結果は以下の通りです。

  • アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
  • 眼圧に影響を与えないとの報告でした。
  • 白内障を形成するとの報告はありませんでした。
  • 点眼終了後も目の遠近調整機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
  • 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。

オルソケラトロジーとの違い

近視進行の抑制治療にはオルソケラトロジーもあります。どちらの治療も近視の進行を完全に止めることはできません。

― それぞれの違いについて ―

  • マイオピン点眼はほぼ誰でも受けられる治療ですが、オルソケラトロジーは適応できない場合があります。
  • マイオピン点眼は毎日、就寝前に1回点眼するだけの非常に簡単な治療法です。オルソケラトロジーは保護者の管理下での装着と手入れといった手間が少しかかります。
  • マイオピン点眼は視力を回復することはできないため見えない場合は眼鏡が必要になりますが、オルケラトロジーは視力が回復して眼鏡なしで生活ができます。

マイオピンとオルソケラトロジーはそれぞれ近視進行抑制に対する作用機序が異なると考えられており、両者の併用治療についてもその効果がわかってきました。

弱い近視のお子さんではオルソケラトロジーによる近視抑制効果は比較的弱いと言われており、マイオピン点眼液の併用治療はその弱点を補って、より近視進行抑制効果を上げることができる可能性があります。

マイオピン点眼治療の検査について

最初に点眼薬(サイプレジン)を使用した近視検査と眼軸長の測定を行います。
**検査時間は1.5~2時間程度かかりますので受付終了時刻の1時間30分前迄に受付を済ませて下さい。

検査後に医師から治療について説明があります。治療の適応と診断されたらマイオピンを1本処方します。

**マイオピン点眼液(5ml)は両眼用で1ヵ月間の使い切りになっています。1ヶ月間で使い切れずに残った分は感染予防のため破棄してください。マイオピンの処方には定期的な診察が必要になります。

以後は下記のスケジュールで通院して下さい。

  • 1ヶ月後診察
    点眼がきちんとできているかと副作用が出ていないかを診察します。問題がなければマイオピンを2本処方します。次は2ヶ月後に診察に来て下さい。
  • 3ヶ月後検診
    問題がなければマイオピンを3本処方します。以後は3ヶ月ごとに診察に来て下さい。

治療費について

マイオピンは安全な点眼薬ですが、日本国内未承認点眼液のためにマイオピンの処方は保険適用外になります。マイオピンに関する診察や検査などはすべて自費診療になります。

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